成長する店舗デザイン

ショップをオープンした瞬間に終わらせてはいけません。

あらゆる角度から練りに練ってついに完成、オープンしたショップでも、そこで店舗デザインはもう終了と思ってはいけません。 いざ開店してみたら「もっとこうしたいな」「ここは少し左寄りにすべきだったか」という点がきっといくつか発生するからです。 細かなことならすぐに変更すればいいけど店舗デザインとなるとそう簡単にはいかないかも、とお考えにになられるオーナーさんが多いのですが、 それは間違いで、改善すべき点が見つかったのならきちんと対処することが長くそこで営業を続けるのにはとっても重要なのです。 どんな職種であろうとお客さんを何人も迎え入れるうちにオープン前には見えなかったこと、気付かなかったことがいくつか浮かび上がってくるのですが、 それに対して解決しようとする決意がないようではお店の成長は見込めません。 実際に稼動してから発見される問題点は少なくありませんし、それら全てを一度に解決しようとしなくてもよいので一歩ずつでいいから前に進むのが商売です。 お客さんの声を聞き、スタッフの声を聞き、予算に応じて店舗の空間をより快適なものへと進化させるのがオーナーの務めなのです。

あまり繁盛しないだろうから待合席は少量でもいいかな、と甘く考えていたら予想以上に賑わってしまい、 真夏の炎天下に店の外で数組のお客さんが待つことになってしまったのなら、少しでも暑さを和らげるために何かしたほうが 今後の来店者数もきっと順調に推移するはずです。 そこでどうするかはケースにもよるでしょうからどうするのが一番なのかは誰にも答えられませんが、店内にスペースの余裕があれば 待合席をいくつか増設するのが最もベターな対策になりそうです。 これで屋外で順番待ちをしていた方の何人かはエアコンの効いた店内で自分の番が来るのをスマホを弄りながらおとなしく座って待つことができるようになりますし、 雑誌や新聞が常設されているお店なら今日の運勢でも読んで暇つぶしをして時間が流れるのに身を任せることができます。 猛暑の日や雨天の日ほどその恩恵は大きく、順番待ちをしていたら日射病で倒れた、大雨でずぶ濡れになった、という不幸なことが起きないのは お客さんにとってもお店側にとっても大いなるメリットとなるでしょう。 店内に席を増やす余裕がない、というのならお店の外に陽射しや雨を遮るものを設置するのも常套手段となります。 これだけでも随分待ち時間を楽に過ごせるようになりますし、お客さんの不満の声もやや解消されるので効果はほどほどに期待できるでしょう。

こうした改築はオープン前には予想できなかった問題が発生した場合、速やかに行えるよう心構えをしておくと楽な気分で実行できるのですが、 多くの店主は「これから開店するというのに問題があるわけないじゃないか、なにバカなことを言っているのだね?」と自信たっぷりで開店を迎えるので、 なかなか素早く対応することができないばかりか非を認めることになると頑なにオープン直後の店舗デザインの変更を拒むようです。 ですがもっと頭を柔軟にして、どんどんお店を進化させるつもりでいつでも改築する用意をしていたほうが顧客を獲得しやすいのです。 ですから最初に決める店舗デザインもそれが最終形だとは思わずに、ちょっとしたことにならすぐに対応できるよう幅を持たせておくといいでしょう。 ギリギリの寸法で設計するのではなく、そこからバージョンアップすることも踏まえていくばくかの余地を残しておくことが求められるのです。 自分ひとりの意見や相談に乗ってくれた数人のアドバイスよりも来店者や従業員の声のほうが参考になることも多々ありますし、 店舗づくりに終わりはありませんのでいつまでも理想のショップを追求する姿勢を忘れず、ニーズに合わせて店舗デザインを変えていきましょう。